バイオマーカーとは、疾患の存在や進行度などの指標として血液中に測定されるタンパク質などの物質を指す用語である。癌に関するバイオマーカーとしては、CEAなどの腫瘍マーカーやp53・KRAS・EGFRなどの遺伝子マーカーがある。ただ、癌を早期の段階で診断可能なバイオマーカーは少なくその必要性が急務となっている。

近年、小分子非コード RNA(small noncoding RNA; small ncRNA)がバイオマーカーとして有用であるとの報告が増え、世界中の研究者から注目を集めている。特に、microRNA(マイクロRNA)においては、その研究が進むにつれ、疾患によって固有のmicroRNA 発現パターン示すことが明らかになってきている。

また血液、尿、唾液など生体からの採取が容易な体液中に安定して存在しているためmicroRNA がバイオマーカーとして適している点もわかってきており、microRNA が早期癌の診断におけるバイオマーカーとしての利用に期待が高まってきている。