抗癌剤治療は、癌細胞だけでなく正常細胞にまでダメージを与えることによる副作用が問題となっている。

microRNAは 1 種のmicroRNAが 数百もの標的遺伝子をもち、また 1 つの遺伝子のmRNA 非翻訳領域にはmicroRNAの結合部分が複数存在し発現が 制御されている。このように、発癌過程におけるmicroRNAの脱制御と標的遺伝子群が癌促進的に傾くことが癌の発生・進展に深く関与している。

また、発癌により変化した遺伝子群全体を捉えることは,microRNAの特徴を最も生かしており,microRNAの補充により元の状態に 近づける細胞の初期化(Reprgraming)ということは副作用の観点からも理にかなっていると考えられる。

これらにより、従来の抗癌剤治療にかわり、microRNA補充療法によるシステムの正常化の概念に基ずいた創薬の開発が次世代癌治療として注目されている。