DDS(ドラッグデリバリーシステム)とは、薬剤を「適切な場所に」「適切な量を」「適切な時間作用する」よう届ける治療法のことである。薬剤の効果を最大限に引き出し、副作用を低減させる上で欠かせない技術である。DDS技術によって以下のような様々な効果・効用が得られる。

①薬効がより的確なものとなり、投与量の減量や適応拡大が期待される。

②特定の薬理作用だけを取り出すことや、特定の薬理作用の発現を押さえ込むことができる。

③副作用が軽減される。

④治療の利便性向上や患者のQOLの向上に貢献できる。

⑤医療費の軽減が可能となる。

⑥新薬開発のリスク増大に対して、DDSによる製剤技術は創薬の成功確率を高める。

⑦開発された核酸などの薬物の安定性、膜透過性等の問題解決の手段となる。

これらを癌治療への応用・開発も進んでおり、今後、ますます市場拡大が続くと考えられる。