現在、DDSとして利用される治療薬剤を封入する運搬体である微粒子のサイズは150nm程度のものが中心を占めている。その理由として、微粒子のサイズが数nm以下の場合は、腎臓から尿中に容易に排泄されてしまうため体内に滞留させることが出来ず、また微粒子のサイズが400nm以上の場合は、免疫機構である生体内の網内系により捕捉・破壊される。

そのため、DDS製剤としての微粒子サイズは100nm前後が最適であり、ナノテクノロジー(10億分の1メートルスケールの領域での製造技術)によって薬剤を微粒子内に封入し、病変部に到達させた後、薬剤放出により治療効果を高める方法がめざましい進歩を遂げている。