本邦での非小細胞肺がん(NSCLC)症例の多くに発現している上皮成長因子受容体(EGFR)遺伝子変異に対する治療薬としてEGFRチロシンキナーゼ阻害薬(EGFR-TKI)が広く使用されている。

しかし、投与数年で宿主癌が耐性を獲得し、やがて治療抵抗性となる。

今回、近畿大学内科学腫瘍内科と第一三共との共同研究により、EGFR遺伝子変異陽性NSCLCの新たな治療法の開発につながるHER3遺伝子の発現異常が発見され、抗HER3抗体薬物複合体(ADC)のパトリツマブ デルクステカンとEGFR-TKIのオシメルチニブ(商品名タグリッソ)の併用が、治療に有効である可能性があることが明らかにされた。

この成果は、Clin Cancer Res(2021年12月17日オンライン版)に発表された。