食道がんは、周囲リンパ節へ転移するなど進行が早く予後の悪い難治性がんのひとつであり、早期発見が重要である。

今回、宮城県立がんセンター研究所がん幹細胞研究部、東北大学医学系研究科分子薬理学分野/抗体創薬研究分野・病理診断学や東北医科薬科大学消化器内科らの共同研究により、食道がんの大部分を占める扁平上皮がんを特異的に検出できる抗体の開発に成功した。

がん特異的な糖鎖修飾をもつ糖タンパク質注2CD271に着目することで、がん部で発現するCD271糖タンパク質のみを検出する抗体(G4B1抗体)の開発に成功した。

この抗体は、がん以外の組織は検出しないことから、がんのみを検出できると考えられる。

さらに、下咽頭がん・子宮頸がんにおいても同様のがん特異的な検出が可能であった。

これにより、G4B1抗体を用いた食道がんの診断精度の向上による早期発見や抗体治療 への応用が期待される。

本研究成果は、Cancer Science誌に掲載された。