がんの特性は、増殖の速さと遠隔へ転移し、また増殖し、やがて全身を侵していくことにある。

がんの転移には血管や免疫細胞などで構成されるがん微小環境が大きく影響していると考えられている。

北海道大学大学院歯学研究院と北海道大学病院らの研究グループは、腫瘍血管内皮細胞における酸化LDL/LOX-1経路が、がん組織中へ好中球を誘引して転移促進的ながん微小環境を形成している可能性を明らかにした。

高転移性がん組織内には酸化LDLが多く蓄積し、酸化LDLの受容体であるLOX-1が血管内皮細胞に高発現しており、酸化LDL/LOX-1経路を介して好中球のがんへの浸潤促進、転移促進性の微小環境形成に寄与している可能性が示唆された。

マウスの腫瘍モデルにおいて、腫瘍血管内皮細胞のLOX-1阻害によりがん転移の抑制傾向が認められたことから、LOX-1阻害は新たながん治療の標的となることが期待される。

なお、本研究成果は、International Journal of Cancer誌にオンライン掲載された。