microRNA封入ナノ粒子による癌治療
本来、microRNAも抗がん剤も投与したすべてが癌へ到達すれば著明な抗腫瘍効果を有します。
しかし、そのまま投与するとmicroRNAは血管内ですぐに破壊されるため、また、抗癌剤も正常組織に取り込まれるため、さまざまな副作用が発生します。それを防ぐためには、microRNAも抗癌剤も何らかの粒子のような器の中に封入し保護する必要があります。(図1)
[図1] microRNA封入ナノ粒子による癌治療
ただ、その粒子はどのような大きさでもよいわけではなく、ナノサイズ、特に100ナノ以下でなければ癌へ集中的に送達されません。(図2)
当院では平均30ナノという小さな粒子の中にmicroRNAを封入・保護したmicroRNA封入ナノ粒子を投与することにより、副作用なく、癌へ集中的に送達させて高い抗腫瘍効果を得ています。
これをDDS(Drug Delivery System)と言います。
[図2]
当院ではmicroRNAを封入・保護したナノ粒子を使用します。
このmicroRNAは元々生体内に存在し、DNA合成の最終調整します。(図3)
microRNAは細胞分裂・増殖の根幹をなすため、このmicroRNAに異常が生じたり数が減少すると分裂・増殖に異常をきたします。(図4)
逆に、microRNAを補充することにより癌の分裂・増殖を抑制・制御し、癌細胞は自然死(アポトーシス)により消滅します。
[図3]
[図4]
このように当院ではDDS理論によりmicroRNAを癌へ集中的に送達させて高い抗腫瘍効果を得ています。
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