本邦において多く認められた胃癌は、ピロリ菌の除菌療法の普及によって減少傾向を辿っており、早期胃癌は、ESDなどの内視鏡的切除法の進歩により完治が可能となっている。

しかし、進行性胃癌で発見された場合は外科的切除の適応となり、また転移性胃癌の場合は分子標的薬などの抗がん剤治療の適応となるが、その効果は耐性の発生により完治には及ばない。

特にスキルス胃癌は、進行が速く発見時には治療自体難しい場合が多い。

スキルス胃癌の増殖進展にFGFR2遺伝子異常が関与していることが明らかになっており、FGFRシグナルを治療標的とした分子標的阻害剤の臨床試験が進行中である。

今回、胃癌患者100名の血液を用いて、2mlの血液中のFGFR2陽性癌細胞の検出が可能であること、また検出した癌細胞数と切除胃癌組織FGFR2発現や生存率との間に相関があることが明らかにされた。

現在、分子標的薬の効果適応を摘出胃癌組織による癌遺伝子パネル検査により判断しているが、検査した癌組織が患者に現存する癌ではないため分子標的薬の適応判断が適切でない可能性がある。

今回の方法は2mlの血液中の癌細胞をリアルタイムに調べることでより正確な治療薬の判断が可能と考えられる。

本研究成果は科学雑誌Cancer Scienceにオンライン掲載された。