難治性癌に対しては個人の体質や癌の特徴により治療効果が大きく異なる。

今回、国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所プロテオームリサーチプロジェクト・創薬標的プロテオミクスプロジェクトおよび国立研究開発法人国立がん研究センター中央病院消化管内科らとの共同研究により、分子標的治療薬トラスツズマブの投与前後に内視鏡を用いて採取した胃癌症例の生検検体からリン酸化部位を網羅的に測定し、症例ごとに治療に対するリン酸化応答が異なることを明らかにされた。

これにより、癌の増殖や薬剤感受性を決定するのに重要なリン酸化シグナルを測定する技術を臨床応用するものであり、新たな癌精密医療の開発に応用可能であると考えられる。

本研究成果は、Scientific Reports誌に掲載された。