今回、岡山大学学術研究院ヘルスシステム統合科学学域と、同大学院ヘルスシステム統合科学研究科の共同研究グループは、不安定で凝集しやすいがん抗原や自己抗原タンパク質を独自に開発した可逆的S-カチオン化法で可溶化し、末梢血中の自己抗体を網羅的に定量評価するとともに、その測定データを保証するための自家製陽性コントロール抗体を整備する一連のシステムを完成させた。

本キットの完成により、臨床診断薬としての実用化に近づいた。

さらに、がん免疫治療が奏功した症例で、血清中の自己検体を評価すると、腫瘍退縮が観察される時期よりもかなり早くがん免疫サイクルが活性化して自己抗体が上昇してくる様子が評価された。

本診断薬の活用により、末梢血により、がん免疫治療における鋭敏な評価ができる可能性がある。

本研究成果は、「Frontiers in Oncology」 誌に掲載された。