がんの発症には、加齢・喫煙・放射線暴露など様々な「環境因子」が関与することが知られているが、各個人の「遺伝因子」、すなわち「遺伝的がんリスク体質」も重要である。

今回、大阪大学大学院医学系研究科、理化学研究所生命医科学研究センター 、東京大学大学院医学系研究科、国立がん研究センター研究所、慶應義塾大学医学部 内科学、慶應義塾大学医学部内科学らの研究グループは、ポリジェニック・リスク・スコア(PRS)という指標を用いて「遺伝的がんリスク体質」を定量化し、がんの様々な特性に与える影響を網羅的に調べた。

遺伝的がんリスク体質を持つ人は、がんになりやすいだけでなく、若い年齢でがんを発症する傾向にあり、がんの特徴である体細胞異常の蓄積が少ないことがわかった。

これにより、「遺伝的がんリスク体質」の理解が進み、がんの予防や個別化医療を推進することに役立つと期待される。

本研究成果は、米国科学誌「Cancer Research」に公開されました。