大阪大学の中森雅之特任講師らの研究グループは、ハンチントン病の治療につながる低分子化合物を開発した。

この疾患は脳の神経細胞のDNAの一部に異常が発生するため、病気の原因となるDNA部分を切り取ることにより異常遺伝子修復を行う。この方法は他の神経の難病にも応用できるため、さまざまな研究所や企業と連携し実用化を目指している。ウイルスベクターなどを用いる現在の遺伝子治療に比べて安全性が高いと考えられ、中森講師は「生体のDNA修復機構を活用する究極の遺伝子治療技術になる可能性がある」として、英科学誌ネイチャー・ジェネティクスに発表した。

この方法は、癌遺伝子(oncogene)の活性化による癌発生の治療にも応用の可能性があると思われる。