今回、大きなゲノム構造異常や非コード領域の変異、そしてミトコンドリアゲノム異常などの合計4,600万個以上の変異・異常を同定し、それらの特徴を明らかにすることにより最も網羅的かつ詳細ながんゲノムマップの作成結果が、科学雑誌『Nature』(特集号)のオンライン版に掲載された。

それによると、38種類、2,800例以上に及ぶがんの全ゲノム塩基配列(シーケンス)情報を収集し、スーパーコンピュータ「SHIROKANE」を含む世界10カ所のデータセンターを連結し、標準化された高精度のゲノム解析手法を構築した上で、癌全ゲノムシーケンスの大規模解析を行い、4,600万個を超える変異・異常を同定し、その特徴を明らかにした。

本研究は、国際的連携による全ゲノムがん種横断的解析プロジェクト(PCAWG)の一環として行われ、これまでで最も網羅的かつ詳細ながんゲノム情報の解析であり、ゲノム解析基盤の手法とデータ・結果は、次世代のがんゲノム医療や研究における解析基盤の構築に貢献すると期待できる。