国立研究開発法人国立がん研究センター中央病院バイオバンク・トランスレーショナルリサーチ支援室の研究グループは、血液検査による簡便で精度の高い乳がんの早期発見方法の開発をめざし、3000人を対象とした大規模臨床試験を2020年12月より全国4道県(愛媛県、鹿児島県、北海道、福井県)で順次開始した。

13種類のがんを対象にした「体液中マイクロRNA測定技術基盤開発」で開発された診断モデルと検出技術を用い、乳がん症例におけるマイクロRNAを測定した。

乳がんに関連するマイクロRNAがんマーカーを東レの3Dジーンという技術で測定した結果と、実際の乳がん検診(マンモグラフィー)結果、精密検査として実施される乳腺エコー検査結果などを比較分析し、マイクロRNAがんマーカーの性能を評価した。

血液検査によるマイクロRNA測定は、手軽で非侵襲性であるため、その開発が期待されている。

本試験は、マイクロRNAをマーカーとした血液検査によるがん検診の精度について、基礎研究での成果が、実際のがん検診においても同等の性能を発揮するのかを検証するための試験であるが、血液中マイクロRNAがんマーカーの乳がん検診での応用につながることが期待される。