本邦での罹患数が年間4万人以上である膵臓がんは、早期発見が難しく、背側の神経叢に進展しやいため背部痛などの症状で発見されることも少なくなく、またその場合かなり進行している場合が多い。

そのため、5年生存率は10%程度であり、最も予後の悪い悪性腫瘍の1つである。今回、効果的な治療法の確立を目的として、膵臓がんが肝臓に転移したマウスを用いて、抗がん剤のゲムシタビンと抗PD-1抗体の併用の効果の調査報告がなされた。その結果、併用によって、Th1リンパ球とM1マクロファージの浸潤が促進され、マウスの生存期間の延長が確認された。

本研究成果は、ゲムシタビンと抗PD-1抗体を併用した化学療法が肝転移のある膵臓がんの治療に有効である可能性を示唆しており、将来的には、生体の免疫能力をさらに活用した化学療法や放射線療法などの集学的な治療法の開発につながることが期待される。

本研究成果は、国際学術誌『Journal for Immunotherapy of Cancer』のオンライン版に掲載された。