希少癌である子宮平滑筋肉腫は、外科的手術を施行しても早期に再発を来す難治性腫瘍である。

今回、名古屋大学大学院医学系研究科産婦人科学および国立がん研究センター研究所病態情報学ユニット、国立がん研究センター中央病院婦人腫瘍科らの研究グループは、子宮平滑筋肉腫においては、細胞周期に関わる複数の酵素が活性化していることを明らかした。

また、それらの酵素に対する複数の阻害剤の抗腫瘍効果を試したところ、PLK1とCHEK1に対する阻害剤が極めて高い抗腫瘍効果を有することも明らかにした。

PLK1阻害剤(BI-2536)とCHEK1阻害剤(プレクサセルチブ)は、マウスモデルにおいても高い抗腫瘍効果を示し、子宮平滑筋肉腫に対する網羅的な遺伝子発現解析を通して同定したPLK1遺伝子とCHEK1遺伝子が新たな治療標的となることがわかった。

これにより、PLK1阻害剤とCHEK1阻害剤の抗腫瘍薬剤は、子宮平滑筋肉腫に対する新規治療薬として期待される。

本研究成果は、学術雑誌「Clinical Cancer Research」の電子版に掲載された。