子宮内膜がんは、本邦の婦人科領域で年間の新規患者数が最も多いがんである。

子宮内膜がん研究には、遺伝子改変によって子宮内膜がんを自然発症するモデルマウスが用いられているが、子宮内膜がんを発症するような遺伝子型を持ったマウスを得るためには、異なる遺伝子改変マウス系統を繰り返し交配させて子孫を得る必要があり、モデルマウスを作製するために多大な時間と労力が費やされてしまう。

今回、群馬大学生体調節研究所ゲノム科学リソース分野、群馬大学未来先端研究機構、北里大学獣医学部、群馬大学医学系研と東海大学医学部の共同研究グループは、CRISPR-Cas9システムによるゲノム編集技術を応用し、マウスの子宮上皮細胞を直接ゲノム編集することで、子宮内膜がんを発症するモデルマウスを迅速(3ヶ月)かつ高効率に作製する方法を開発した。

この新たな技術は、子宮内膜がん発症の原因解明や新規治療薬開発に貢献することが期待される。

本研究成果は、国際科学雑誌「International Journal of Cancer」のオンライン版に掲載された。