原発不明癌とは、転移巣であるリンパ節や肝臓などに発生する癌が全身に広がった状態で発見されるにも関わらず、発生源である臓器が不明な癌種のことである。

原発不明癌は、全癌患者の2~5%であり、診断時には既に進行・転移している状況であり、複数の臓器に転移が認められる患者が原発不明癌全体の半数以上を占め、生存期間の中央値は約6~9ヶ月、5年生存率は2~6%と極めて予後が悪いのが特徴的である。

上記のように、原発不明癌は診断の難しさや様々な病態が含まれる集団であるため、他の癌種と比べて効果的な治療方法の開発が期待されている。

オプジーボを含む免疫チェックポイント阻害剤は、多数の癌腫において標準治療の一部となっているが、原発不明癌における免疫チェックポイント阻害剤の効果については、少数例の報告があるのみである。

今回、原発不明癌患者に対するオプジーボの医師主導治験となる第2相臨床試験(NIVOCUP試験)が行われ、その結果、化学療法既往のある原発不明癌の奏効率が22.2%であった。

また32%の症例において、上記治療により癌増殖を6ヶ月以上制御することに成功し、今後オプジーボが原発不明がんの標準治療となることが期待されている。

この研究成果は、米国臨床腫瘍学会の「Special Clinical Science Symposium」内にてオンラインで発表された。