近年、がんに対する免疫チェックポイント阻害剤の効果が明らかになっている。
がんは遺伝子変異によって発症するが、一方で、遺伝子変異があると異常なタンパク質が作られ、免疫細胞はそれを目印としてがんを攻撃する。
免疫チェックポイント阻害剤は、特に遺伝子変異の量が多く、免疫細胞に攻撃されやすい目印をたくさん持ったがん細胞に有効である。
しかし、遺伝子変異の量が多くない固形がんに対しても効果がある。
そのため、免疫チェックポイント阻害剤が有効ながんであるかどうかを、治療前に判断する手法の開発が期待されている。
今回、近畿大学医学部産科婦人科学教室と京都大学大学院医学研究科婦人科学産科学教室を中心とする研究グループは、約1万症例の固形がんのDNAデータから遺伝子変異の特徴を解析し、あらゆる固形がんを8種に分類する新たなプログラム「GS-PRACTICE」を開発した。
さらに、免疫チェックポイント阻害剤による治療を受けた固形がん患者のデータを解析し、この分類によって、免疫チェックポイント阻害剤の有効性を予測できることを証明した。
本研究成果は、”Journal for ImmunoTherapy of Cancer”にオンライン掲載された。