microRNA封入ナノ粒子による癌治療

子宮癌

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1:子宮について

子宮は女性の骨盤内中央にある臓器で、大きさは成人女性で鶏卵大程度です。子宮は、頭側の袋状の体部と下部の筒状の頸部で構成されます。

子宮体部の左右からは卵管が出ており、外部に卵巣があります。子宮頸部は膣に繋がり、基靱帯により周囲組織から子宮を支えています。

機能としては妊娠時に胎児を育てる器官です。そのため弾力性に富んだ筋肉でできており、内側を覆う子宮内膜は、卵巣から分泌されるエストロゲンの作用を受けると、受精卵の着床に備えて増殖して厚くなり、妊娠がない場合は剥がれ落ちて月経となります。

2:子宮癌について

子宮癌は、体部にできる子宮体癌と頸部にできる子宮頸癌に分類されます。

子宮頸癌は、入り口付近に発生するため婦人科の診察や検診で発見されやすい癌です。また、早期に発見すれば比較的治療しやすく予後のよい癌ですが、進行するするとリンパ節に転移したり、子宮を支えている基靱帯などから周囲組織へ浸潤したり、また血管やリンパ管を通って肺などへ遠隔転移します。

3:統計と発生要因

年間発生数はに約11,000人で、20歳代後半から増加して40歳代でピークを迎えその後横ばいになります。

発生要因としては、主にヒトパピローマウイルス(HPV:Human Papillomavirus)の感染が関連しています。HPVは性交渉で感染しますが、多くの場合は感染しても免疫によって排除されます。HPVが排除されず感染が続くと、子宮頸癌が発生すると考えられています。

4:症状

子宮頸癌は異形成と呼ばれる前癌病変が何年も経てから癌になります。異形成の時期では症状が出ませんが、進行すると月経中でないときや性交時に出血したり、おりものや粘液が多く出てきたりすることがあります。さらに進むと下腹部痛や腰痛が認められ、尿や便に血が混じったりすることもあります。

5:治療

異形成の場合は頸部を部分的に切除する子宮頸部円錐切除を行います。また、レーザーによる病変部の焼灼術もあります。

子宮癌に対しては進行度により、単純子宮全摘術や準広汎子宮全摘術、広汎子宮全摘術などが行われます。その他、抗癌剤治療も行われます。

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