肺癌
1:肺について
肺は胸腔内にある袋状の臓器で、右肺は3つ、左肺は2つの肺葉に分かれています。肺葉は無数の小さな肺胞で構成され、口腔および気管より吸い込まれた酸素は、すべての肺胞で血中に取り込まれ、全身に運ばれていきます。
2:肺癌について
肺癌は、肺胞細胞や気管支が癌化したものです。 進行すると、周りの組織に浸潤増殖し、血液やリンパ液の流れにのって転移することもあります。
転移しやすい場所はリンパ節、反対側の肺、骨、脳、肝臓、副腎です。また、肺は他の臓器で発生した癌が転移しやすい場所であり、転移性肺癌として一般的な原発性肺癌とは区別されます。
3:組織型
非小細胞肺癌と小細胞肺癌の2つに大きく分けられます。発生頻度が高いのは非小細胞肺癌で、その中でも最も多いのが腺癌です。小細胞肺癌は、非小細胞肺癌と比べて増殖速度が速く、転移や再発を伴いやすい腫瘍です。
4:統計と発生要因
年間発生数は約125,000人です。男女ともに4番目に多い癌で、男性に多く60歳頃より増加します。
最大の発生要因は喫煙です。喫煙者は非喫煙者と比べて男性で4.4倍、女性では2.8倍肺癌に罹患し、喫煙を始めた年齢が若く、喫煙量が多いほどそのリスクが高くなります。受動喫煙(たばこからでる副流煙などを吸うこと)も肺がんのリスクを2〜3割程度高めます。
喫煙以外では、アスベストなど職業的曝露や大気汚染などがあります。
5:症状
咳、痰、血痰、発熱、息苦しさ、動悸、胸痛などがありますが、進行するまで出にくい場合が多いです。
6:治療
手術による摘出が原則ですが、他に抗癌剤、放射線治療などがあります。