前立腺癌
1:前立腺について
前立腺は男性のみにある栗の実のような形をした臓器で、膀胱下部に位置し尿道のまわりを取り囲んでいます。
前立腺の機能としては精液の一部に含まれる前立腺液をつくっています。
2:前立腺癌について
前立腺癌は主に外腺(辺縁領域)に発生します。多くの場合、ゆっくりと進行しますが進行が進むと周囲リンパ節や骨に転移することが多く、また肺、肝臓などに転移することもあります。
3:統計と発生要因
年間発生数は10万人あたり118人です。60歳頃から高齢になるにつれて顕著に高くなります。男性では4番目に罹患率が高い癌です。
発生要因としては、前立腺癌の家族歴、高年齢が明らかですが、その他の肥満、食品(カルシウムの過剰摂取など)、喫煙などについては明らかではありません。
4:症状
早期では、多くの場合自覚症状がありません。しかし、尿が出にくい、排尿の回数が多い、残尿感などの症状が出ることがあります。進行すると、上記のような排尿障害に加えて、血尿や、腰痛などの骨転移による痛みがみられることがあります。
また、前立腺液には、PSAというタンパク質が含まれ、ほとんどのPSAは前立腺から精液中に分泌されますが、ごく一部は血液中に取り込まれるため、血中の値を測定することで発見することも可能です。
5:治療
外科的手術としては前立腺全摘術が行われます。その他、放射線治療や内分泌療法も行われます。