microRNAは血液中にcirculating microRNAとして存在していることが明らかにされ,血漿・血清中の microRNA発現量を定量的RT−PCRで測定することが 可能である。

それにより、転移性前立腺癌患者では健常人よりmicroRNA‑141発現の亢進がで有意に高いことを明らかになり、胃癌患者では4つのmicroRNAmicroR‑17‑5p, ‑21, ‑106a, ‑106b)の発現量が健常人よりも高く、let‑7aは低いことが示唆されている。

また、microRNAは血液中だけでなく便、尿、喀痰、唾液などを用い たmiRNA発現量解析もいくつか報告され、大腸癌患者の便ではmicroRNA‑21、92a、135および17‑92 cluster発現量が高いこと 、肺癌患者では喀痰中のmicroRNA‑21の発現量が高いこと が報告されている。さらに膀胱癌患者の尿ではmicroR‑96と183の発現異常が検出されている。

このように、癌患者の血漿・血清・便・尿・喀痰・唾液などで特異的に発現量が変化しているmicroRNAを、癌の診断や予後予測のバイオマーカーとして使用することが期待 されている。