今回、理化学研究所(理研)生命医科学研究センター基盤技術開発研究チーム、東京大学医科学研究所、秋田大学大学院医学系研究科、京都大学大学院医学研究科、東京大学大学院新領域創成科学研究科、国立がん研究センター遺伝子診療部門、佐々木研究所附属杏雲堂病院遺伝子診療科らの共同研究グループにより、腎がん患者と非がん患者対照群を用いた症例対照研究で世界最大規模となる7,000人以上のゲノムDNA解析が行われ、邦人の遺伝性腎がんの原因遺伝子・発症リスク・臨床的特徴が明らかにされた。

腎がんの病理組織型の一つである淡明細胞型腎細胞がん患者では4.1%の患者が病的バリアントを保有しており、特にTP53遺伝子ががんの発症に強く関わり、東アジア人に特徴的な病的バリアントが特に影響を与えていることが分かった。

また、非淡明細胞型腎細胞がん患者では5.6%の患者が病的バリアントを保有しており、特にBAP1遺伝子、FH遺伝子が発症に強く関与することや、若年発症の患者に病的バリアントが多い臨床的特徴も明らかになった。

本研究成果は、科学雑誌『Human Molecular Genetics』オンライン版に掲載された。