国立研究開発法人国立がん研究センター中央病院が支援する日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG)では、科学的証拠に基づいた第一選択として推奨すべき標準治療や診断方法等の最善の医療を確立するため、全国規模の多施設共同臨床試験を実施している。
今回、JCOGの頭頸部がんグループでは、術後再発リスクの高い頭頸部癌症例を対象に、従来の標準治療(シスプラチン3週毎+放射線治療)に対して、シスプラチン毎週投与+放射線治療の非劣性を検証するランダム化比較第II/III相試験を実施し、中間解析の結果、全生存期間の非劣性が証明された。
さらに、シスプラチン毎週投与+放射線治療は、有害事象の発現頻度がより低いことも確認され、術後再発リスクの高い頭頸部癌症例に対して、シスプラチン毎週投与+放射線治療が新たに標準治療となる。
今後、海外のガイドラインにおいても、頭頸部癌の新たな標準治療になることが期待される。
本研究の成果は、米国学術雑誌「Journal of Clinical Oncology」に発表された。