細胞の増殖や分化、代謝などを司る遺伝子の発現を制御する転写因子であるc-Mycは、細胞増殖のアクセルとして働くため、正常細胞では必要以上に発現しないように制御されている。

しかし、がん細胞ではその制御が破綻し、c-Mycが過剰に発現することで異常な細胞増殖を引き起こす。

実際に、多くのがん種において、c-Mycの高発現が見られ、予後不良とも正に相関することが報告されている。

今回、名古屋市立大学大学院薬学研究科細胞情報学分野の研究グループは、がん原遺伝子産物c-Mycを安定化し、蓄積させる分子として、脱ユビキチン化酵素USP17を新たに同定した。

これにより、USP17ががん創薬における新たな治療標的となる可能性が見出された。

本研究成果は、科学誌「FEBS Letters」に公開された。