がん免疫療法においてPD-1とCTLA-4 と同様にLAG-3は有望な薬剤標的として注目されており、LAG-3阻害抗体を用いたがん免疫療法の開発が進んでいる。

PD-1阻害抗体によるがん免疫療法が複数の種類のがんに対して認可されているが、その奏効率は10~30%と低く、さらなる改良が求められており、LAG-3とPD-1を同時に阻害することにより悪性黒色腫の生存率が向上することが報告されている。

LAG-3の抑制機能の重要な役割を有するLAG-3のリガンドについては不明である。

今回、東京大学定量生命科学研究所と徳島大学先端酵素学研究所、同大学院医歯薬学研究部、北海道大学大学院薬学研究院らの共同研究グループは、LAG-3が安定なpMHCIIと結合することによりT細胞の活性化を抑制し、自己免疫疾患の発症を抑制するとともに、がん免疫を減弱させていることを明らかにした。

これにより、LAG-3を標的とした効果的かつ安全な治療法の開発につながると期待される。

本研究成果は、Immunity誌オンライン版に掲載された。