近年、日本においても肥満の増加に伴い、非アルコール性脂肪性肝疾患・NAFLDの有病者が、健診の約3割、2,500万人と急増しており、その約25%が非アルコール性脂肪肝炎・NASHに進行し、その約25%が肝硬変に、更に25%が10年で肝がんを発症すると推定されている。

今回、国立病院機構京都医療センター・臨床研究センターと東海国立大学機構 名古屋大学環境医学研究所と東京医科歯科大学・先端血液検査学らの共同研究チームは、高脂肪食負荷肥満モデルマウスやNASHモデルマウスであるメラノコルチン4型受容体欠損マウスなどを用い、植物に含まれる機能性分子・タキシフォリンが、肥満および重大な肥満合併症である非アルコール性脂肪肝炎(NASH)に対する予防・治療効果があること、さらにNASHから肝がんへの進展を予防できる可能性があることを明らかにした。

本研究成果は、栄養学分野のオンライン科学誌「Nutrients」に掲載された。