肝臓には、栄養や酸素の勾配に応じて空間的に遺伝子発現を変化させるしくみである空間的遺伝子発現パターンが存在し、がんにより悪影響を及ぼされる。

今回、京都大学医生物学研究所と東京大学大学院新領域創成科学研究科と東北大学加齢医学研究所らの研究チームは、京都大学医学部附属病院、岐阜大学大学院医学系研究科、熊本大学大学院生命科学研究部との共同研究により、１細胞トランスクリプトームと空間トランスクリプトームという二つの手法を組み合わせることで、がんが宿主個体の肝臓の空間的遺伝子発現パターンを撹乱することを発見した。

がんによる肝臓への悪影響の新たな側面を明らかする一助となり、悪影響を適切に制御するための重要な基盤となることが期待される。

本研究成果は、Communications Biology電子版に掲載された。