TFAM遺伝子ががん細胞の増殖に重要な役割を果たしていることはこれまでの研究ですでに知られていたが、食品成分によるTFAM遺伝子の抗がん効果への関与については解明されていなかった。

今回、大阪公立大学大学院生活科学研究科の研究グループは、主に東南アジアで栽培され、スパイスや漢方薬として使用されているショウガ科の熱帯植物 Kencur（ケンチュール）の抗がん効果について、細胞実験と動物実験で検証し、Kencur抽出物およびその主要活性成分が、細胞レベル・動物レベルでがん細胞の増殖を有意に抑制することを明らかにした。

さらに、その作用メカニズムにおいて、ミトコンドリア転写因子A（TFAM)遺伝子の関与が確認できた。

これにより、Kencurの抗がん作用を明らかになるだけでなく、TFAM遺伝子が抗がん効果の新しいマーカーとなる可能性も示唆される。

本研究成果は、国際学術誌「Heliyon」にオンライン掲載された。